映画

Underworld: Rise of the Lycans〜闇に蠢く抗争史

「アンダーワールド ビギンズ」を観た。これはともに闇で生きるヴァンパイア族と狼男ぞくライカン族の戦いを描いたアンダーワールドシリーズの序章である。そしてその戦いは二つの種族の愛し合う男女と二つの種族の血を合わせ持つ少女から始まったのである。…

The Equalizer〜隠れた狩人

「イコライザー」を再鑑賞した。二度目の鑑賞である。今回はもっぱら「最終章」を鑑賞する前のおさらいなようなものである。そして同時にタイトルの意味の確認。「イコライザー」とは「バランスを調整する機能」という意味合いである。主人公ロバートは元CIA…

Intensive Car〜女の予感

「レディ・ボディガード」を観た。正直、タイトルから勝手に名作「グロリア」みたいな映画を期待したのは否めない。しかし内容はピンボケ映画であった、少年は出てくるが、ほとんど何の交流もなく終わってしまった。結局ちょっと強い元軍人の女性のどんぱちD…

Iron Man〜鋼鉄の意志

「アイアンマン」を再鑑賞した。多分三度目くらいの鑑賞だと思う。今回はひたすら稀有な天才トニー・スタークのアイアンマン開発の試行錯誤に注視した。天才でさえ細かくトライ&エラーを繰り返すその姿にアイアンマンの「アイアン」には鉄のような硬い意志…

Chaos Walking〜新天地への憧憬

「カオス・ウォーキング」を観た。汚染された地球から逃げ延びた人々の逃げた星「新天地」はある種の地獄だった。そこでは女性は死滅しており、思考は「ノイズ」として撒き散らされた。そこには未来や希望のない世界なのかもしれない。#白猫独りロードショ…

Moonlight〜最期の居場所

「ムーンライト」を観た。人は何かしら共感を感じるとき、往々にして共通項がある。母親がヤク中でゲイの孤独な少年シャローン、終盤、彼の唯一の友達はシェフになり、彼のために丁寧に料理を作る。そしてジュークボックスから好きな曲を流す。僕の人生と共…

Firestarter〜焔の闘い

「炎の少女チャーリー」を観た。まず「炎の少女チャーリー」なんてダサい邦題をつけた担当者に苦言を呈したい。 閑話休題映画は超常現象を行う人々を描いているが、本当に描きたいのは「未知のものを恐れる人の心」を描きたかったのかもしれない。#白猫独り…

Red Scorpion〜紅き毒刺

「レッド・スコルピオン」をみた。ドルフ・ラングレンという役者は最初は「ロッキー」の敵役として突如出現したように思える。しかしロシア人ではない。そんな彼の魅力を余すところなく描いた本作。しかし彼の印象的な役は「JM」の牧師役だったのである。#…

The Incredible Hulk〜怒る翠人

「インクレディブル・ハルク」を観た。「超人ハルク」と言えば『怒り』を引き金にして返信するヒーローものだった。しかしこの作品は図らずも人間の未知のものへの残虐性とヒトの中に潜む「怪物」を描いた映画なのかもしれない。#白猫独りロードショー The …

Paradise in Service〜隠れた砲島

「軍中楽園」を観た。最近の若者の中には日本とアメリカが戦争をしたことを知らない人もいるという同じように中国と台湾の関係を説明するのは難しい。この作品はそんな揺れる地域の中で徒花のように惹かれあい咲き誇り男と娼婦を描いた映画かもしれない。#…

If hope from theWorld ...〜映画の「叙述トリック」

「世界から希望が消えたなら。」を観た。冒頭のテロップで「幸福の科学」の広報映画だとはわかっていた。やたら『復活』と言う書影が映される頃から、「これはつっこんだら負け」の映画と見方を変えた。そしてエンディングで色々な価値観が崩されることを感…

The Revenant〜復活の狩人

「レヴェナント:蘇えりし者」を観た。この作品は一度は埋葬された男が死の淵から舞い戻る一種の復讐譚であり、あきらかにキリストの復活をモチーフとして感じるが不思議と異端の香りがするのはネイティブ・アメリカンが関係しているからかはわからない。し…

Le monde après nous/The World After Us〜放蕩者の憂鬱

「行く先/後世」を観た。太古の昔から「今どきの若者は」と言う年長者の嘆き悲しむ言葉があったという説がある。この作品はフランスの若者の様々な焦燥や悩みを描いている。しかしそれは若者だけに限らない。生きていくことそれ自体が悩むことなのかもしれ…

미나리〜異国の香草

「ミナリ」を観た。この作品は、アメリカで韓国人家族が悪戦苦闘しながら大地に根を張る芹(ミセリ)のように逞しく生きていく姿を描いたものである。しかし、現在移民問題を抱える日本にとっても決して他人事ではない。#白猫独りロードショー 미나리 open.…

The Stanford Prison Experiment〜塀の中のロールプレイ

「プリズン・エクスペリメント」を観た。ちょっとしたホラー映画だった。アルバイト学生を看守と囚人に二分し、擬似刑務所で何が起こるかという有名な実験である。大きく三つの恐ろしさがある。 ひとつは番号で呼ぶことによってひとは容易く人間の尊厳を喪失…

Les magnétiques/Magnetic Beats〜海賊放送を流して‥‥

「マグネティック・ビート」を観た。時代はボブ・マーリーが死んだころまだインターネットも普及していなかった。海賊放送を兄弟で流していた弟フィリップは悩んでいた。兄を追いかけてばかりの自分はこれでいいのかと。これはフィリップが自立する話である…

Bloody Oranges〜倒錯の世界へようこそ

「ブラッド・オレンジ」を観た。そもそも「普通」とは何であろうか?これはちょっとその規範からはみ出たフランス人たちを描いた映画。#白猫独りロードショー Bloody Oranges open.spotify.com ikuzuss.hatenablog.com

The Limehouse Golem〜倫敦の殺人鬼

「切り裂き魔ゴーレム」を観た。「ロンドン」というのは不思議な街である。紳士の街と言われるが、いやだからこそ「殺人」とは切ってもきれないものである。有名な「切り裂きジャック」を例に出すまでもなく、不思議と殺人と相性が深い。この作品はそんな「…

Agent Crazy Flower〜危険的姑娘

「Miss.デンジャラス」を観た。僕は半島系美人より大陸系美人が好きだ。そしてこの映画は中国系の綺麗なお姉さんがキレのあるアクションを披露する、眼福的な映画である。もっとストーリーに捻りがあったらシリーズ化まったなしかもしれない。#白猫独りロー…

HONNOUJI HOTEL〜運命の日

「本能寺ホテル」を観た。「本能寺の変」を主軸に置いた現代女性と織田信長の交流を描いた映画。大変面白く鑑賞できた一方で多くの観客は「万城目学」の名前がないことに疑問を感じるかもしれない。真相はわからないがきっと「万城目学」という作家の強みを…

Where's the Money〜隠した真実

「カネはどこだ」を観た。これはロサンゼルスサウスセントラルのヒッピーでハッピーでイカれた家族とあぶく銭を描いた映画。全編ビートが流れる黒人文化がなくては成立しないかもしれない。#白猫独りロードショー Where's the Money open.spotify.com ikuzu…

KEEP ON KEEPING ON〜レジェンドたちの音色

「キープ・オン・キーピン・オン」を観た。この映画は伝説的な93歳の盲目のジャズメンクラーク・テリーのドキュメントである。ある人は「ジャズには知識が必要である」と言い、またある人は「ジャズは知識は不要である」と言う。おそらく両方正しく両方間違って…

The Curse of La Llorona〜呪いの聲

「ラ・ヨローナ ~泣く女~」を観た。最後までラ・ヨローナ という存在かどうかわからなかった。それでも怖い存在であった。spんなホラー映画。#白猫独りロードショー The Curse of La Llorona open.spotify.com ikuzuss.hatenablog.com ikuzuss.hatenablog…

Alien Abduction〜誘惑の山

「エリア0(ゼロ)」を観た。これは米軍から漏洩した映像を元にしたひかる未確認飛行物体と失踪を描いたリアル「道との遭遇」である。#白猫独りロードショー Alien Abduction open.spotify.com ikuzuss.hatenablog.com ikuzuss.hatenablog.com ikuzuss.hate…

Flight on Water〜パドルへの想い

「水上のフライト」を観た。ご存知の方もいると思いますが、僕は左半身麻痺の身体障害者。だから大変複雑な想いで観賞した映画だった。高跳びの記録ホルダーの女性が不慮の事故により脊髄損傷になるが、パラカヌーに出会って再起する物語。 だが、映画だと言…

Nicky Larson et le parfum de Cupidon〜掲示板の仕事人

「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション デラックス」を観た。間違いなく漫画やアニメの実写映画化の作品の中で上位に挙げられる満足感。いい意味でのお馬鹿なフランスのセンスがシティハンターという原作とマッチしている。難を上げれば吹き替…

THE WOODS〜取り憑かれし森

「怨霊の森」を観た。これは深い森と学園と少女の不気味な物語。しかし本当の「森」を知らない日本人には、この恐怖はわからないかもしれない。#白猫独りロードショー THE WOODS open.spotify.com ikuzuss.hatenablog.com ikuzuss.hatenablog.com ikuzuss.h…

Double Impact〜復讐の双子

「ダブル・インパクト」を観た。あなたがB級アクション映画好きなら間違いなく好きな映画になるだろう。ジェイソン・ステイサムの台頭で一線を退いた印象のあるジャン・クロード・ヴァンダムの魅力満載の映画である。お約束の両脚開脚やキレのある蹴りのアク…

spiritual bolshevik〜異界の領域

「霊的ボリシェヴィキ」を観た。「リング」の脚本家監督のホラー映画。これが想像を絶する恐ろしい詩rものだった。何が恐ろしいかというと、ちっとも怖くもなく演技も映像も褒められる点がないのに一時間ものの映画として制作された点である。こんなことをや…

La Jetée〜モノクロの未来

「ラ・ジュテ」を観た。これは名作「12モンキーズ」の原案とされる短編映画。僕自身Youtubeなどで断片的にしか観たことがなかった。しかし似ていることは似ているが、終始絶望に彩られた世界観。モノクロの未来観。全く違う映画だった。#白猫独りロードショ…