隠された祝福

村上春樹騎士団長殺し4第二部遷ろうメタファー編下」読了。

文庫本四冊にも及ぶ文庫本をほぼ一気に読み上げた。物語は「騎士団長殺し」と言う屋根裏に隠されていた一幅の絵画をめぐるお話。もちろんいつもの村上作品の重要な小道具(井戸のような穴、自動車、お酒、音楽」などによって物語は語られていくが、読み進めるうちに心に感じるいくつかのフレーズが散見された(Blessing in disguise

偽隠された祝福、Cavartemptor買い手責任)そして終盤に震災の話が出た途端ひっそりと出る涙を止めることができなかった。震災直後の光景を思い出し、(私は震災直後に地震保険鑑定人として仙台に行った経験があった)それもあるが涙のわけはわからないが、胸を締め付けられるような切ないような何かしらの痛みを感じて泣いていたのだ。しかしそれとともに私が脳溢血になってこんな体になってしまったことにも何かしらの意味と(おそらく)いい面もあっただろうと思えるように感じた。つまり私にとってこの物語は物事を多面的に、さまざまな方向から視ることを教えてくれた物語であると言えるだろう。

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隠された祝福

#白猫Bookreview