村上春樹「雑文集」読了。
さまざまな賞を受賞したときの挨拶から結婚式のスピーチまで今まで掲載されなかった村上春樹の雑文集なので、村上春樹に興味のない人には全くお勧めできない本なのです。
でも僕は興味のある人なので面白く読むことができました。特に有名なイスラエルのエルサレム賞を受賞したときの「壁と卵」は初めて読むことができました。
僕も二十歳過ぎのころエルサレムに行ったことがありました。だからあの地の政治的宗教的な特殊性は一応わかっているつもりです。後半部分の「アンダーグラウンドをめぐって」という章は、ほとんど長編小説に匹敵するようなエネルギーを感じ、特にオウム信者の持つヒストリー=ナラティブ(物語)と言う部分には深く頷かせるものを感じました。これが村上春樹的オウムサリン事件の総括なのかもしれないという意味で。
それと話は変わりますが、カズオイシグロが読みたくなりました。
ちなみに健常者だった頃の僕もアイロンかけは好きでした。レッド・ヘリングの語源も初めて知りましたし。ヘリンボーンはニシンの骨って意味だったんですね。#白猫Bookreview
【追記】村上春樹氏の誕生日は1月12日で作家のジャック・ロンドンと同じ日です。