The Catcher in the Rye〜春樹畑に植えられて

J.Dサリンジャー村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」読了。

まず感じたのは、野崎版と比べて圧倒的に読みやすいことと、ハードカバーのせいか、格調高く感じるため、ホールデンくんのスラングというか型破りな話し言葉がしかつめらしく感じることだった、翻訳だと、英語の原文にはきっとあるようホールデンの心情というか苛立ちが感じ取りにくい、もちろん同じ小説だから、物語が変わるわけじゃないけれど、随分雰囲気はかわるものだと思ったのです。特に寮から出るときの階段口から叫ぶ場面は、野崎訳版では、あまり気にもとめなかった。それと、気が滅入って妹のフィービーと他愛のない会話をしたくなって真夜中なのに電話をしたくなるところには、非常に共感できた、ガールフレンドに囁いているときに「大声で言わないで!」なんて言われるのは僕にもよくあったことなので、彼の気持ちが手に取るようにわかってしまうんだ。本当の話。でも、日本人にとって無神論者って本当にわからないんだよね、実際の話。そして村上訳は映像的で、僕の高次脳機能障害の頭にもすんなりと入ってきました、特にミスタ・アントリーニとの会話の部分は野崎訳では記憶にあまり残らずに記憶から欠落しており、村上版は幾分ホールデンがナイーブに過ぎるように感じたのでした。#白猫Bookreview

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The Catcher in the Rye

 

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