praise of shadows〜日常の美

谷崎潤一郎文大川裕弘写真「陰翳礼讃」読了。実は、谷崎と言うと、美学に凝りすぎて、拗らせた文学者というイメージが先行して多少苦手としていたことは否めない。しかし、本書を正面からちゃんと読んでそれが、半分当たっているが、半分は的外れであったことが確認できた。丁寧に積み重ねられる文章は、科学的なところは相当怪しげであるが、美学に関しては、まさに日本人の美学を端的に表現されていて、なぜもっと早く(創作活動中)に読まなかったのかと反省させられた。特に本書は大川裕弘氏の美麗な写真も相まってどんな不粋ものにも理解できるようになっていた。実に親切すぎるほど親切な本だった。#白猫Bookreview

praise of shadows

【追記】青空文庫にも「陰翳礼讃」はありますが、今回はヴィジュアルブックとして読書しました。

写真大川裕弘

写真大川裕弘