our Heart〜あの頃の僕は

栗本薫「ぼくらの気持」読了。

ぼくらの時代の三人組もそれぞれに年を経て環境も変わり、戻ってきた。しかし、ベーシストのヤスは出版社に就職して、配属された先が、売れっ子漫画家花咲麻紀、そしてアシスタントの女の子と結婚を考えてしまうくらいに変わってしまった。物語は物語として、再読して初めて気がついたのが、僕の倒れる前の生活圏内が舞台になっていることでした。最寄駅は大泉学園西武池袋線)、舞台の花咲麻紀邸はよく遊びに行った石神井公園だったし、考えてみればあの辺りは漫画家が多く住んでいる地域だったのである。アニメスタジオも多かったし、なんてことを読みながら思い出していた。

そう言えば、石神井公園沿いにはお世辞にもシックとは言えないような豪邸が立ち並んでいたので、ロケハンでもしていればあのうちのどれかをモデルにして書いたんだろうななどと思ったりもするわけです。それから、昭和50年代の小説なんだけど、携帯電話が、出てこないだけで、(少なくとも)推理小説は書きにくくなってしまったと思うわけです。そして伊集院大介シリーズにも登場する山科警部の登場で推理小説らしくなったわけだ。ところで、高千穂遙は今でも作家をやってるんでしょうか?コミケの描写が古いのは仕方ないとしても、どうも偏見に満ちているのは、やはりロック系なので、あまり取材をしてなかったのではないかと思われる。でも、その後の栗本薫が、JUNEや小説で美少年、美少年と騒いでいたのは今になると片腹痛いというものです。

だいたい、昔のコミケでも区民会館で間に合うような規模じゃないだろうし(昔は、晴海の展示会場でしたよね)そしてやはり、栗本薫は、僕にとって特別な作家だったと思うわけです。#白猫Bookreview

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OUR HEART

 

 

 

 

 

 

 

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