FIRST BLOOD〜越南紛争

ランボー」を観た。この映画を観るとつくづくアメリカにとってのベトナム戦争の重要性の高さを感じてしまう。先日観たキングコングの中でも米兵上がりの傭兵が、ベトナム戦争は負けたんじゃない、放棄しただけだと、力説するシーンがあるが、負けたとはとても言えないような経験とプライドがその戦場にはあったのだろう。以前カウンセラーの薦めもあってトラウマの本を読んだことがあるが、そこには何十年も経っているのに、フラッシュバックやさまざまな症例に悩む帰還兵達の姿が描かれていた。戦場では英雄でも、帰国した途端にじゃまもの扱いされた彼らはDVを振るったり、アルコールに溺れたりと、社会に溶け込むことが、難しくなっていた。ベトナム戦争侵略戦争でさえなかったのが罪深く、侵略戦争であったほうがマシだと思われるようなもので、冷戦下の米との代理戦争であったこともそこに出ていた兵隊達には残酷な結果を与える戦争でした。祖国を守るためという大義名分さえも与えられなかった彼らには一体何が行われていたのかはこの映画の原題=原作の題名がファースト・ブラッドであることが重要であると思われた。ベトナム戦争の最初の血は誰が流し、この事件では誰の血だったのかはマスコにだけにはわからないだろうと思ってしまう。この映画が、強烈な反戦映画だったのに対して、その後のシリーズが右翼の宣伝映画になってしまったのは皮肉的であり、アメリカ社会的には必然であったのかもしれない。「最初の血の一滴は誰の血だったのかということをこの映画以降アメリカは問われ続けることになったのかもしれない。アメリカンドリームのロッキーと同じ」シルベスター・スタローンベトナム帰還兵をやることに大変大きな意味を感じてしまう。

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FIRST BLOOD

 

 

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