The Catcher in the Rye〜コミュ障の原典/原点

J.Dサリンジャー野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」読了。

古い訳だという思い込みがあるかもしれないが、いきなりの「奴さん」は今の若い人には受け入れにくいかもしれませんね。なんというか、古典の宿命かもしれないけれど、

今ではこの作品の影響を受けた作品というか、亜流が多過ぎていま読むと、新鮮味を感じられなくなるという文化のポロロッカ現象(by久米田康治)が起きてしまっているのが切なく哀しい。終盤のセントラルパークの家鴨のエピソードは村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」で出てくるアヒルのヒトのオマージュ元でしょうか?それ以上に僕の年齢(50代)に読むものじゃないということかもしれない。もう若くも青春時代でもない僕が読むものではなかったのかもしれないと思ってしまいました。ホールデンの悩みや葛藤も既に「うんうん、そういうこともあるよね」と、宥める役になってしまっているので、共感しづらくなっている。僕にもこの本を読んで共感できた時代もあったんだろうが、僕にはこの小説を読むより、エラリー・クイーン栗本薫筒井康隆、さらに他のSFを読む時間が必要だったので、ライ麦畑でつかまえてには食指が動かなかったのです、そして初めて読んだところ、あの頃に別に読まなくても悔しくないと思っている僕がいたので、別に悔しくないし、昔の自分に後悔も感じていないのです。#白猫Bookreview

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The Catcher in the Rye

【追記】本の装丁は田中一光氏ですが、イラストはピカソなんですねジャン=ミッシェル・バスキアかと思っちゃいました。

 

 

 

 

 

 

 

ikuzuss.hatenablog.com cf.以下は今では掲載できなくなった訳者解説です。

www.hakusuisha.co.jp

youtu.be

【追記】この映画はアマプレにあるのでそのうち視聴します。

【追記】2ちょっと村上春樹版を読むのに躊躇し始めたりしています。

【追記】3若い頃に読んだ英米文学というとジャック・ケルアック「路上」くらいでしょうか。